玉ねぎに泣かされる理由
2019.02.01
玉ねぎを切ると、涙が出ちゃうのはご存知の通り。今回は、玉ねぎを切るとの涙が出る理由と、涙を抑える方法、そして新品種のスマイルボールと言う涙が出ない玉ねぎについてお話します。
涙が出るメカニズム
玉ねぎを切ると、玉ねぎの細胞に包まれていた「酵素」が出てきます。
その酵素が玉ねぎに含まれているアミノ酸と反応し、アミノ酸を涙がでる成分である「硫化アリル」に変身させるのです。
硫化アリルは玉ねぎの臭い成分でもあるので、玉ねぎを切ると臭いも涙もでるのは硫化アリルが生成されているからということになります。
玉ねぎをメインで栽培している井澤農園は、収穫が終わると倉庫で玉ねぎの大きさ分けなどの選別作業を行います。
玉ねぎの収穫したてはキズが付いた玉ねぎが選別場に多く存在するので硫化アリルがそこら中に…「目がカライ!」と言いながら、玉ねぎの洗礼を受けつつ選別作業をしています。
ヨメに来たとき、「目がカライ」と言われて意味が分からなかったのですが、今では違和感なく理解できています。玉ねぎ農家の方言のような感じに使われていますね~。面白い表現!
涙を出にくくする方法
せっかく玉ねぎを切るなら、涙が出ないように料理をしたいですよね。私(ヨメのあやか)が日頃やっている、涙を出さない工夫をお伝えします。
1)玉ねぎを冷やす!
玉ねぎが冷たいと、硫化アリルが大気中に飛び散るのを防ぐことができます。
温度が高いと成分が蒸発しやすいので、玉ねぎ自体を冷やしてあげると涙が出にくいんです。
2)よく研いだ包丁で切る
細胞をつぶすと硫化アリルを作り出す酵素がたくさん出てしまうので、スパッとひと思いに切ってしまいましょう。
3)加熱してから切る
熱すると酵素が死滅するので、レンジでチンしたりして火を通してからたまねぎを切ります。
ただ、玉ねぎが柔らかくなってとっても切りづらくなるのでTPOを選びます。
4)丸ごと調理する
いっそのこと、切らないで調理!たくさん玉ねぎを食べられるので健康にもいいです!
5)ゴーグルをする、換気扇をまわす、扇風機を回す
硫化アリルを体に近づけない方法です。
硫化アリルは目だけではなく、鼻からも涙や鼻水を誘い出すので、ゴーグル+鼻つっぺやマスクもするとより効果的です。
手元に扇風機の風を当てるのがいいかもしれない。(これはやったことが無いですが)
他にも良い方法があったら教えてくださいね!
涙が出ない玉ねぎスマイルボール
玉ねぎにも様々な品種があります。井澤農園でも10品種は毎年栽培しているほど。
玉ねぎを品種を分けて栽培する理由としては、品種ごとに成長する速度や保管できる期間が違うからという理由が挙げられます。
そんな中、涙が出るメカニズムに注目し、ハウス食品が開発したのが「スマイルボール」という品種の玉ねぎ!
井澤農園でもスマイルボールを栽培しているのですが、開発秘話を聞いたら涙なしでは聞けない壮絶な研究だなぁと感じました。
スマイルボールは普通の玉ねぎよりも縦長な形をしていて、小ぶりなのが特徴的です。また、他の品種に比べると栽培しにくいんです。どんなところが普通の玉ねぎに比べて栽培しにくいのかと言いますと、植物の病気になりやすい、大きくなりづらい、芽が出やすい点があげられます。
それでも、味はピカイチ!生で食べても辛くなく、歯ごたえがサクサクしていて甘みも強い!
もっとたくさんの人にスマイルボールを食べてほしいです。
今はまだお値段が張る高級品種ですが、近い将来、玉ねぎを切っても切っても涙不要な時代が来るかもしれないですね。
その時はお子様に「昔は玉ねぎを切ったら目に染みて涙が出て大変だったんだから!」と言い伝えてあげてください。
涙なくしては語れない玉ねぎの進化の歴史となるでしょう
スマイルボールについては、ハウス食品さんのホームページをご覧ください★